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高齢者集合住宅上機嫌

(設計:岩堀未来 笹敦)

​2015年度グッドデザイン賞ベスト100(日本デザイン振興会)

2016年度日本建築家協会優秀建築選 (日本建築家協会)

掲載誌

グッドデザイン賞公式受賞年鑑2015(日本デザイン振興会)

JIA建築年鑑2016(日本建築家協会)

敷地は都内から車で1時間半程の地方都市で、サービス付高齢者住宅とデイサービスセンターの複合施設である。利用者は都心から移住する人、周辺から通う人が、入り交じる。通常は運営上分けられる両施設の共有空間をつなげて一体にし、さらに個室の面積は必要最小限とすることで、通常よりも大きくフレキシブルな一室空間を持つ高齢者施設が実現した。この一室空間を[透る空間=透間]と名付けた。[透間]は、大開口で外部に開かれた様々な場の連なりで、生活者は周囲の豊かな自然環境や周辺地域を感じ取ることができる。また連なった空間では生活者同士が常に気配を感じ取ることができる。この[透間]を覆う屋根を、2×12材という繊細な材を徹底的に使用して構成した。同一部材が連続することで一体感を感じ、繊細な材を使うことで親密なスケール感を作り出す。また木造屋根構造体を全て表すことで温もりのある質感を作り出している。構造や材料の徹底した合理的運用により清々しい質を持った開放的な一室空間は、高齢者が適度な距離感と共有感を自分で調整し、かつ周辺地域との接点を持ち活気ある生活を可能にする仕掛けである。

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